コロナの感染が広まったことによって、アメリカでは郊外に住宅を建てて住みたい人が急増しました。それによって住宅価格がもの凄く高くなってしまって建築資材が高騰したのです。そして建築資材がアメリカ国内で高く売れるので、カナダやヨーロッパの日本に輸出していた木材業者さんまでがアメリカへ販売してしまいます。だから日本に木材が入らなくなってしまって、家を建てる木材が無くなってしまいました。 あったとしても木材の仕入れ価格が1.5倍から1.7倍に上がってしまいました。家を建てたくても木材が無い。あっても1.7倍の価格では住宅会社は大赤字になってしまいます。その理由は住宅会社は契約してから完成するまで、半年から1年間くらいかかります。契約した金額が決まったあとに木材の高騰ですから、追加のお金はいただけません。だから大赤字なのです。 そしてアメリカの住宅バブルも終わりかけて価格が下がり始めた時に、今度はコロナの感染拡大でトラックや船舶の労働力不足で材木の輸出入が止まってしまってまた値上がりです。これらが『ウッドショック』と言われる木材価格が異常に値上がりしたお話です。 次に木材だけでなく、ラワン合板(1.5倍)杉正角材(1.8倍)米松角材(1.5倍)ガラス(1.2倍)普通銅板(1.4倍)電線(1.3倍)鉄骨(1.3倍)型枠合板(1.4倍)杉角材(1.8倍)銅板(1.4倍)アスファルト・セメント・コンクリート・生コンクリートが全て値上がりしています。これは『ウクライナショック』によるロシアからの輸入資材が日本に入らなくなったのが一番の原因です。 それに加えてアメリカの物価上昇(10%)が止まりません。やはりロシアに経済制裁したのはいいのですが、アメリカは輸入の国なので高くなってしまった輸入品が入ってくると物価は上がってしまいます。日本も同じで、マヨネーズや餃子の食料品の値上げとともに、また建築資材が次々に値上がりしてしまって、日本の建築価格がどんどん上がってしまいました。私共の会社も頑張ってはいるのですが、少し値上げしないとやっていけない状況なんですね。 注文住宅や建売住宅は1棟当たり220万円程原価が値上がっています(40坪×5.5万円)。高齢者住宅は1棟当たり3,850万円(700坪×5.5万円)、コンクリートマンションは1棟当たり650万円(130坪×5万円)の原価増です。これから下がっていけばいいのですが、どうもまだまだ上がりそうです。その理由はロシアの西側諸国への天然ガスや石油や木材や魚や小麦や食料品の輸出停止です。これらがこれからジワジワ影響が出始めてこれからも全ての価格が上がっていくのではないでしょうか。 そしてアメリカが利上げしていますから(0.5%)(年内に2.5%程)アメリカに投資資金が集まっていて『ドル高』になって、日本は同等の利上げはできないので(政府の借金は1,000兆円を超えていますから、1%金利が上がると10兆円の支出)『130円の円安』になっています。すると輸入品の仕入れの110円が130円(1.18倍)になるので日本の物価が上がって全て値上げとなります。いくつもの原因が重なって今回の『原価高騰が止まらない』状態なのです。 当社も住宅部門では『約8億円』、マンション・サ高住部門では『約5億円』、合計『13億円』の仕入れの値段が上がってしまいました。今はギリギリ努力して耐えていますが(全体売上は280億円なのでまだ頑張れます)、これ以上原価が上がれば倒産してしまいますから、値上げも必要です。しかしそうならないように願うしかありませんね。 ウクライナも含め世界も日本も厳しい状況ですが、負ける訳にはいきません。なんとか切り抜けるしかありません。
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