会長のひとりごと【賃貸経営】vol.81
『新商品』『新事業』はいつも怖い!!
失敗したらどうしようといつも考えてしまいます。
私は44年間でたくさんの新商品・新事業を行なってきましたが、
何十回経験しても恐怖というか、恐い怖いと肌で感じてしまいます。
では何故そんなに怖いのに新商品・新事業に挑戦するのでしょうか…。
それは
(1)住宅着工数が1990年に167万戸が、
2018年には96万戸で71万戸減(43%減)。
それが2030年には61万戸で35万戸減(36%減)。
(2)高齢者は2018年9月15日現在で3,550万人で全人口の28%。約10人中3人が高齢者です。2040年には35%になり3人中1人が高齢者となり、
全人口は1億700万人です。
(3)2040年には少子化・無子化で子供達(0~14歳)は1,070万人になり全人口の10%に減ってしまいます。
(4)そして2033年の日本の空き家率は30%で2,200万戸が空き家になってしまいます。これが日本の現実なのです。
当社は注文住宅と賃貸住宅で年間約1,000世帯を建築していますが、
どんどん住宅の需要は減っていくのです。
大工さんの人数も1980年で94万人。
2025年にはなんと22万人になってしまいますから、もう住宅を作ってくれる大工さんもいなくなってしまいますね。
だから会社が生き残るために、新商品のゴールドエイジの『サ高住分譲』と、新事業のゴールドトラストの『小規模ホテル事業』を計画して実行しています。大きく成功しなくてもいいので、大きく失敗することだけは避けたいと念願しています。新商品・新事業とはなかなか怖いものです。
小規模ホテル事業は、名古屋の大須観音まで歩いて8分の立地。
6階建てで客室は40m2で16室。たった16室ですが、
一部屋に4・5人が泊まれるようにベッドやソファーベッドを準備していますので、64人から80人くらいの人数が泊まれます。
施工面積は小さくて300坪くらいですが、一般の80人で80室のホテルですと700坪くらい必要ですから、宿泊人数から考えると効率の良いホテルとなります。
もう1棟のホテルは栄のアパホテルの隣です。ここは8階建てで22室。同じく4・5人で泊まれる大きさで一室45m2くらいです。
中型冷蔵庫やキッチン、洗濯機付きで簡単な料理もできますし、ユニットバスが乾燥機付きですから洗濯物も乾かせますね。
まあこんな感じのホテル計画となります。
さて一見良さそうなホテル計画ですが、当社には初めての事業ですから全く経験がなく、ノウハウも何もありません。
設計と建築だけは専門ですが、運営の経験のないホテルの設計はできませんし分かりません。さてさてどうなりますことやら…。皆さんにもヒシヒシと新事業の怖さと苦しみがお分かりになってきたのではないでしょうか…。
まず新規の事業には何が必要かというと、
(1)理念・目的です。本当にお客様に喜んでいただけるのか。どういうサービスを目的にするのか。
(2)オンリーワン・ナンバーワンなどの戦略的差別化で他のホテルに勝って地域で一番になれるのか。
(3)次に実際の運営をどうするのかということ。これは戦術・戦闘レベルの話ですが、経験や実績のない私達には雲を掴むようなものです。全く運営の仕方が分かりません。
(4)工期やオープンまでの準備や人の採用や社員教育もどうしたらいいのか、これも全く分かりません…。
不安なことばかりですが、これが新商品・新事業というものです。
小さく始めて、大きく成長できればいいのですが、小さく始めても大きく失敗するのが事業の経営なんですね。でどうするか…。
大失敗を想定内に計画して、ダメな時にどうするかを決めておくことです。
あとは最悪の時の資金を準備しておくこと。
まあ、会社が倒産することだけはないようにしますが、ああ、大変ですね。挑戦とは勇気がないとできないことです。