(1)個人経営での『海外賃貸不動産』の『4年償却』が税制改正で2020年12月で終了です。法人の会社経営であれば4年償却は今後もずっと可能ですが個人経営での4年償却はできなくなりました。
私個人で10億円の海外不動産を所有して、この4年償却で多額の節税をしていましたが、もうできなくなってしまいました。
さてこれからどうすればいいのでしょうか…。
お先真っ暗な状態で、踏んだり蹴ったり状態です。税制改正が行われたので個人の土地活用事業の方針を大変換しないとやっていけません。
4年償却の計算は、木造賃貸住宅での建物の減価償却(出費なしで経費計上できるもの)は22年です。ですから22年経過したテキサスの木造住宅(土地200坪・建物60坪)を賃貸でアメリカ人に貸せば、22年×20%=4.4年≒4年で償却できる税制でした。
建物価格(土地は除く)4,000万円の木造住宅であれば4年償却ですから、毎年1,000万円ずつ経費として認められます。
すると1,000万円所得の人は1,000万円の経費計上で所得はゼロになりますね。
これで税金支払いもゼロになるのです。
私の場合は10億円の70%相当が建物として計算すると7億円÷4年=1億7,500万円相当の所得金額がゼロになってしまって、税金支払いもゼロだったのです。
この税制が改正されたのですから、もう非常に大変なのです。
でどうするか…。
個人ではダメで、法人経営ではこの4年償却は今後もできるのですから、私は2020年の12月末までに全ての個人所有の海外物件を、私の関連の法人に転売していく方針です。
しかしそんなに簡単にはできないんですね。
借入金もありますからそれぞれの銀行さんと相談して進めるしかありません。
日本の銀行は海外資産のことには不慣れで理解ができません。
1つ1つ説明して法人に移していきたいと計画していますが、税制改正1つでこんなにも苦労するのですから『節税対策』も簡単ではありませんね。
(2)消費税還付ができなくなりました。
それは『賃貸住宅』の建設費用だけがダメになってしまっただけで、トヨタさんなどは何兆円もの消費税還付をしているのです。
例えば住友電装さんから仕入れをして、消費税を支払う。
海外に車を輸出して販売してもトヨタさんは消費税がもらえない。
だから支払った消費税は還付されるのです。
『法の下での平等』が原則ですが、今回の改正は(1)も(2)も全く『法の下での不平等』と言わざるを得ません。
しかしもう決まってしまいましたから、文句を言っても仕方がありません。
新築物件に関しては3月契約物件まで。
中古の売買物件は9月末までが消費税還付の期限となってしまいました。
さて私の場合は大変なんですね。
個人で所有していると私がお亡くなりになった時の相続税が多額です。
関連の法人名義であれば私がお亡くなりになっても相続税がほとんどかかりません。
ですから私は私個人の物件を会社に移していくのが今までの大方針だったのです。
しかし今回の急な税制改正で9月末までに全ての個人不動産を会社に移動するしかありません。
その金額、なんと40億円です(土地建物の初期取得原価相当額)。
不動産の売買は、買い主は所得税や登録税が6%必要(土地は3%)です。
そして売り主の私個人は10%の消費税を国に支払わなければなりませんし、売買益があれば39%・20%の税金支払いが発生します。私は差し引き合計で3億円以上の自己資金の出費が必要になってしまうのです。(それでも会社名義にした方が有利です)。
まあ私は3ヶ月間ずっとこの計算ばかりしていて頭が壊れてしまいました。
私は資産形成の計算のプロで誰にも負けないのですが、急な今回の税制改正だけはとてつもなく苦労の連続です。
しかしこうやって苦労するから実践的な専門家・プロとしての実力がついて、人を指導することができるのです。
もう少し苦しんで最高の答えを出したいと思います。