昨日、日調連が開催するZoom講座を受講しました。
所有者不明土地の解消に向けた3本柱のひとつ。
民法一部改正で創設される、「所有者不明土地・建物管理制度」についてです。
そもそも、所有者不明土地が問題になったきっかけは東日本大震災。
所有者不明土地の存在によって、被災地の高台移転が難航したわけですね。
こういう場合、現行法では3つの制度が用意されています。
①不在者財産管理人(民法25条)
②相続財産管理人(現民法952条)
③清算人(会社法478条)
これらの使い分けについては割愛しますが、ネックはいずれの制度も
対象者の財産全てを管理する「人単位」の仕組みになっている点。
その問題点は
・土地・建物以外の財産も全て調査・管理する必要がある
・共有者のうち不明者が複数人いれば、不明者毎に管理人を選任
・所有者が全く特定できない場合、これらの制度は利用できない
(表題部所有者「〇田△男 他20名」などというケースね。)
これが、今回の改正で、特定の土地・建物のみに特化して管理を行う制度
が創設されました。(新民法264の2~264の8)
これにより、
・他の財産まで調査・管理する必要がなく、予納金負担も軽減される
・複数の共有者が不明でも、管理人は1人で足りる
・所有者が特定できなくても対応可能
になります。
申立権者は、公共事業の実施者、共有者、地方自治体の長。
発令要件は、次の2つ。
①調査を尽くしても所有者がわからない
②管理人による管理の必要性がある
この②で、境界確認等が必要となるケースでは
土地家屋調査士が管理人に選任されると思われます。
これ、令和5年4月1日施行です。
私たち土地家屋調査士が、空き家・空き地の解消のお手伝いをする舞台。
まもなく開演です。
土地家屋調査士 大阪 和田清人