過去に何度か取り上げたことがあるデジタル資産について、
相続手続支援センターさんが上手にまとめていらっしゃいます。

本来、故人が残した権利と義務は全て相続の対象。
デジタルでは、故人のブログなどの資産やアフィリエイト収入などが「権利」、
有料サービスの会費などが「義務」になります。

ところが、故人がインターネットで何をやっていたか、
把握しきれない場合が多いワケですね。

義務については、会費の請求が来て気付くからまだいい。
1回分の会費を捨てればいいだけ。

一方、権利の方は、通知が来ないから、
ネットバンク口座やアフィリエイト報酬は凍結されたまま・・・_| ̄|○

せっかく蓄積してきたブログも、IDとパスワードがわからなければ、
誰も手が出せませんよね。

う~ん、他人事ではない。

やっぱり、重要なのは、記録に残しておくことと、
残した場所を知らせておくこと。

いろんなツールが売られていますから、うまく活用しましょうね。
自戒を込めて・・・(^^;


【インターネットを墓場に持ち込むと、望まないものだけ地上に戻ってくる?】

 日本で誰かが亡くなると、多くの場合は葬式の後に火葬場を通り、骨壺に入れられて、最終的にはお墓に納められる。そして、その人の資産や負債、意志などは、法律に則って停止したり誰かに引き継がれたり、ときには放置されたりする。そこには当然インターネットに残したコンテンツやアカウントも含まれるが、実際はどのように扱われることになるのだろうか。

 全国45支部で相続発生時の各種手続きを支援している相続手続支援センターでは、毎年2万件に及ぶ案件を代行・サポートしている。東日本支部を運営するシグマジャパン代表の半田貢氏によると、そうした案件のなかにネットサービスが絡むことも珍しくないとか。ただし、「課金タイプのサービスなら会費を止めて、ネットバンクの口座に残金が残っていたら指定口座に振り替えますが、無料サービスのアカウントは外から存在に気付くのが難しく、拾いきれません。特に捨てアドレスで登録したものはまったく分からないので、ノータッチになりますね」という。

 故人が残した権利と義務はまとめて相続対象となる。遺族などは、貯金や土地を相続する権利があるし、負債などの何かしらの処理をすべき義務も負うことになる。ネットの世界でいえば、故人が残したブログなどの資産やアフィリエイト収入などが「権利」で、月額制の有料サービスの会員費などが「義務」になるわけだ。

 本来はそのどちらも相続するなり放棄するなり、きちんと処理した方が良さそうだが、現状は理想にほど遠いらしい。半田氏は「亡くなった人がインターネットで何をやっていたか、相続する遺族の人たちが知らない、あるいは把握しきれない場合がすごく多いんですよ」と語る。

 インターネットでの活動は実社会よりもはるかに単独行動が容易で、本人に隠す気がなくても、周囲にひもづけられるヒントを一切残さずに完結できてしまう場合が多い。このため、相続処理の現場ではネット関連に一切気付かれず、数カ月経ったころに会員制サ―ビスの支払い請求ハガキが届いて、遺族がはじめて「義務」に気付く例もあるとか。

 「数カ月支払いが滞れば契約を解除するという規約のサービスもありますが、解約手続きが行われるまで延々と未払い金が加算されるものもあります。このため、ふくれあがった未払い金が債権譲渡されるという問題も起きているようです」(半田氏)とのとこだ。

 一方で、契約の継続に一切の手続きがない無料サービスのアカウントやSNSに残ったコンテンツは宙に浮き、故人のネットバンク口座は凍結したり手つかずのままとなり、アフィリエイト報酬の行方も見えなくなる。ネット上の「権利」は発見するのが「義務」以上に難しいのだ。

 こうした現実を踏まえて、半田氏は「生前、ネット上で何をやっているかだけは家族に伝えておいたほうがいいでしょう。口頭で伝えておくのもいいですし、遺書にメモ書きを添えるだけでもいいと思います。契約しているサービスさえ分かれば、パスワードが分からなくても何かしらの手は打てますから。特に定期的に支払いが発生するサービスは知らせておかないと、思わぬ災難を呼びかねません」とアドバイスを送る。

●デジタル資産も相続ノートに書けば、アナログ資産と一緒に管理できる

 遺族に不意の隠し負債を与えないためにも、利用しているオンラインサービスなどをまとめたメモはおきたい。自分が死んだときに伝わることを考えると、そのメモは遺言書と一緒に封入したり、市販の「相続ノート」(俗に言うエンディングノート)に記しておくのがいいだろう。

 相続ノートは、自分が他界した際に周囲が困らないように必要な情報をまとめておくノートだ。財産分与を含めた遺言のほかに、資産や口座一覧や親族と友人リスト、自分の宗教なども明記することで、葬式から相続まで故人の思うようにスムーズに進めさせることができる。昨今の生前準備ブームとともに急速に普及しており、2011年公開の映画『エンディングノート』のヒットが後押しとなって、若年層にも認知されるようになった。

 最近は、自身の死亡時や意思表示ができなくなった際だけでなく、生前に大事な情報を自分で確認する役割も持たせたタイプも増えている。そして、ものによってはデジタルコンテンツに関する情報をまとめる項目を用意しているものもある。

 その典型例がコクヨの「エンディングノート<もしもの時に役立つノート>」だ。30~40代の男女をメインターゲットにデザインしており、電子マネーやオンラインサービスのID、携帯電話とPC、ISP(インターネットサービスプロバイダ)など、インターネットと関連する項目が多数盛り込まれている。高齢層向けが多い相続ノートのなかで購入層が数段広く、2010年9月に発売後、わずか3カ月で5万冊を突破、2012年1月までに累計21万冊を売り上げるなど、安定したヒットを飛ばし続けている。価格は1470円だ。

 開発にあたった同社の岸田裕子氏は、ノートの制作にあたり、ユーザーリサーチを重ねて、バリバリ仕事している世代に求められる項目やページ構成を突き詰めていった。

 「ブログやSNSのアカウントもそうですが、ネット口座を複数持つ方も増えていて、最近は本人がちゃんと整理しておかないと宙に浮いてしまうほど、たくさんの情報を抱えて生きることが普通になっています。そうした煩雑な情報をパッと見でつかめるように、多くの人が過不足しないようなバランスで項目を盛り込んでいきました」という。ただし、自分でチェックしやすいように工夫しつつも、万一のときに家族が見ることも考えて、要望が多かったデジタル化は意識的に回避している。

 なお、シリーズ第1弾の「遺言書キット」制作時(2006年ごろ)のリサーチを振り返ると、最近は若年層でも死をタブーとする風潮が多少減った印象を受けるとか。

 「以前は『そうはいっても死なないだろう』のような回答が多かったですが、東日本大震災の影響もあり、最近は『死なないにしても、何が起こるか分からない』と、防災意識の高まりから1つの可能性として自分が死んだ時のことも一応は考えるという人が増えた感じはあります」とのことで、実際、防災バックの中にノートを保管しているという便りがたくさん届いているそうだ。

●PCで入力できるデジタル相続ノートもある

 閲覧性の高さから手書きに重点を置くスタンスと反対に、入力性や更新の手間を重視してデジタル化した相続ノートもある。端的な例は、デネットが2012年7月に売り出した「家系図・遺言・相続ノート」だ。Windows 7/Vista/XPに対応するPCソフトで、価格は3990円となる。同社は年間1000~2000本を目標に売り出しており、滑り出しは順調という。

 ターゲット層は50代以上の男性と高めながら、構成はコクヨの「エンディングノート<もしもの時に役立つノート>」に近く、親族や葬儀のことに加え、電子マネーやWebサイトのID、PCやISPの情報などをまとめられる。JPEGやBMP、PNG画像を貼り付けられるので、遺影用の写真などを一緒に保存するといった使い方も可能だ。

 紙の相続ノートと異なり、項目数に事実上制限がなく、無駄な余白が発生しないといったメリットがあるが、ユーザーの死後や緊急時に最低限PCが扱える家族の存在が欠かせない点は十分に考慮したい。条件を満たす環境なら、もしもの時はこのソフトを起動するように家族に伝えておけばいい。ヒント付きの合い言葉でもログインできるので、パスワードを共有しなくとも、家族にだけ通じる言葉を鍵にできる。

 インターネットに残したものを思い通りに処理するなら、きちんと書き込んだ相続ノートがあればいい。そのために自分と自分の環境にあった相続ノートを見定めて、なるべく早めに導入することをおすすめしたい。そして次回は、定額制の有料サービスにおける、ユーザーが亡くなったあとの処理の現実を追いかける。
(8月31日 Business Media 誠)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120831-00000035-zdn_mkt-ind


土地家屋調査士 大阪 和田清人(image)
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