「天空の城」竹田城の石垣が、新緑に遮られて見えづらいそうです。

伐採できない理由は、
権利関係・・・_| ̄|○

城跡主郭部周辺以外の、山の大部分は私有地。
10年前の調査で、山全体が358筆で地権者が142人なんだって。

境界も不明、相続未登記の問題も・・・(^^;

3月に閣議決定された
所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案
の成立が待たれますね。


【新緑に遮られて…天空の城が「見えない」 伐採できない複雑な事情】

 「天空の城」と名高い国史跡・竹田城跡(兵庫県朝来市和田山町竹田)で近年、新緑の時期になると「麓や登山道から石垣が見えづらい」という声が住民や観光客から相次いでいる。石垣を取り巻く山の樹木が育ちすぎ、生い茂った枝葉が遠望を遮りつつあるためだ。ところが、これらの木々を簡単には切れない事情があるという。

 「せっかく石垣をライトアップしても、町中から眺めると手前の木々が邪魔をして見えにくい。何とかならないものか…」。そうこぼすのは竹田城跡の地元・竹田地区区長会の石原啓一会長(70)。カメラを構える観光客や写真愛好家から同様の声を聞くそうだ。

 朝来市の樹木医・宮田和男さん(77)によると、竹田城跡を頂く古城山(標高353メートル)は、スギやヒノキの人工造林、広葉樹のアベマキやコナラなどが群生。初夏には新緑の「カーテン」ができて、東西南北どの方向から見ても石垣が隠れてしまう。「このまま放っておけば、やがて石垣が見えなくなってしまう」と宮田さん。

 これまで、1989年の映画「天と地と」のロケや、94年に天皇・皇后両陛下が旧和田山町を訪問された際に大規模な伐採が行われたという。しかし、近年はほとんど手が入っていない。というのも、土地の権利関係が非常に複雑で、どこが誰の土地なのか、よく分からないのだ。

 同市によると、地元の竹田財産区が所有する城跡主郭部(山頂部)やその周辺の市有地を除き、山の大部分は私有地で、一部は山頂付近まで入り組む。約10年前の調査では山全体に358の地番があり、地権者は142人。土地の境界が曖昧で、すでに地元にいない所有者も多い上、相続未登記の問題も絡む。

 市教育委員会がこのほど策定した「史跡竹田城跡樹木等管理基準」でも、「石垣周辺と山腹の樹木は、土地の所有権などの問題が存在し、景観を一括して管理することが十分できない状況」と指摘する。

 宮田さんは「最優先で考えるべきは、竹田城跡の一番の魅力である石垣をどのように見せるか。まずは市有地から伐採、枝切りするなど、できる所から手を付けてみてはどうか」と提案する。

■地権者探し 明治期の図頼み

 古城山(朝来市)の土地の権利関係を知る手掛かりとなるのが、1890(明治23)年、政府が地租改正に伴い作った「字限図」だ。

 例えば古城山東側の図面を見ると、土地はかなり細分化されていることが分かり、「○×利右ヱ門」といった地権者名が読める。ただ、縮尺すら書かれておらず、当時の測量技術の未熟さもあって、地形や境界線などの精度が高くない。

 こうした曖昧な土地の境界や所有者を確定させようと、全国的な地籍調査が1951年に始まった。しかし、林地における進捗(しんちょく)率は2016年度末で45%と思うように進んでいない。現所有者を割り出し、山に登って境界確定に立ち会ってもらうなど、膨大な手間と労力を要するためだ。「古城山のように地権者が多いと、調査は年単位に及ぶ」(朝来市地籍調査課)といい、いつ完了するかの見通しは立っていない。

    ◆

 地方の山林は土地の境界が曖昧で、相続登記せず放置されるケースも多い。山城跡ではしばしばこうした土地の問題がつきまとう。

 兵庫県佐用町は15年度、利神(りかん)城跡の国史跡指定に向け、山の地権者調査を始めた。ところが、相続登記されず数代前の名義という事態が相次ぎ、相続人が20人以上になったケースも。割り出した地権者約200人から同意を得て、17年に史跡指定された。担当者は「調査に1年以上を要し、大変な作業だった」と振り返る。

 ほかにも、同県上郡町の白旗城跡では1996年の国史跡指定時に209人の地権者を確認。97年に国史跡指定された八木城跡(養父市)でも山の地権者が100人近くいたという。
(5月30日 神戸新聞NEXT)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180530-00000015-kobenext-l28


土地家屋調査士 大阪 和田清人(image)
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