県境を観光スポットとしてPRする自治体が増えているようです。

トップで紹介されているのは、「越前加賀県境の館」。
県境に施設が整備されるのは全国でも珍しいんだって。

それにしても、ええ感じに入り組んでますね。
知ってたら、相続トータルサポートサミットの時に寄り道したのに・・・(^^;
(image)

他に挙げられている施設としては、
能越県境パーキングエリア、イオンモール高の原、群馬・栃木・埼玉の3県境など。

ぜひ、境界に関心を持ってくださいませ。


【「県境」めぐり、新たな観光に…自治体もPR】

生活文化の境界も
 地図上に引かれた「境界」への関心が高まっている。ここ数年、ユニークな境界スポットを観光する人が目立っているという。自治体もPRに乗り出した。

 福井県あわら市と石川県加賀市は昨年4月、県境上の集落に「越前加賀県境の館」を整備した。木造平屋の小さな観光情報館だが、ユニークなのがそのデザイン。玄関前の石畳の階段や建物内の床が県境で色わけされている。

 2月、さいたま市から観光で訪れた会社員、安部明さん(50)は県境をまたいで記念撮影した。地元の吉崎集落は、街の中を県境が通っており、住民は買い物や通学のため、日常的に県境を行き来している。安部さんは「非日常の世界を堪能できた」と満足げ。早速、フェイスブックで発信した。

 同館事務局長の田嶋直和さん(53)は「これまでに全国から6600人以上が訪れた。観光の目玉になれば」と話す。

 国土交通省も昨年11月、能越自動車道の石川、富山県境上に「能越県境PA(パーキングエリア)」を完成させた。県境を示す青いラインやプレートを、車で訪れた人が動画投稿サイトなどで紹介している。

 県境は意外な場所にも。商業施設「イオンモール高の原」は京都府と奈良県をまたぐ。イオンモール(千葉)によると、全国の店舗の中で県境が通るのはここだけ。県境で床のタイルの色を変えていたが、来店者が写真に撮るなど反響が大きかった。このため、5年前から紫の細長いシートで県境を表示。装飾パネルでもPRするようになった。

「県境」めぐり、新たな観光に…自治体もPR
田んぼの中にある3県境。Y字の用水路が県境で左が埼玉県加須市、奥が群馬県板倉町、右が栃木県栃木市
 ほかにもユニークなスポットがある。

 三つの県が接する「3県境」は全国に40か所以上あり、多くが山や川の中。群馬、栃木、埼玉の3県境は、田んぼの用水路の中だ。以前は川にあったが、改修工事で埋め立てられたという。「簡単に行き来できる」と話題となり、県境で接する3市町は観光資源として活用しようと2月、現地で測量して境界点を確定し、くいを打ち込んだ。若者や家族連れが訪れるようになり、3市町の一つ群馬県板倉町の担当者は「観光客向けにチラシやプレートを作成中です。旅行会社にツアーの企画を呼びかけています」と話す。31日には、3市町による境界確定の調印式を行う。

 「境界散歩」と呼ばれる街歩きも人気だ。任意団体「境界協会」(東京)は、主に都内の区境をたどるイベントを隔月で開く。参加者は古地図を手に住宅街や河川跡などを巡り、境界線が引かれた謎を解き明かす。毎回好評という。

 生活文化の境界もある。

 関ヶ原の戦いで知られる岐阜県関ヶ原町では、1月から誘客キャンペーン「味の境界も関ヶ原!」を実施している。「東西の食文化の違いを町で体験してもらおう」(町地域振興課)と、うどんとそばのカップ麺「どん兵衛」の食べ比べの企画を始めた。

 「どん兵衛」にはかつおだし主体の色が濃いつゆの「東日本仕様」、昆布だし主体の色が薄い「西日本仕様」がある。関ヶ原駅前観光交流館では観光客がその場で食べ比べたり、お土産に購入したりしている。町がパッケージに東軍、西軍のシールを配した。

 町の調査では、「いなりずしの形が俵形か、三角形か」「角餅か、丸餅か」「地蔵盆の風習があるか」などの面で、東と西の文化が混在し、境界にあるという。

 都道府県境は、明治政府が旧藩の境界を目安に引いた。山や川など地形に沿っており、複雑に入り組む。境界協会主宰で、日本地図センター主幹研究員の小林政能さんは、「境界はふだんの生活ではあまり意識しないが、人の暮らしや文化の違いを生んでいる。行政組織が分かれ、住民に不便さを強いることもあるが、外部の人にとっては新鮮に映るのだろう」と指摘する。

知らない世界を知る
各地の境界スポットを訪ね歩き、「県境マニア!」の著書がある会社員、石井裕さんの話

 県境などのユニークな境界スポットがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで発信され、旅の目的地として注目されている。境界には様々な目印があり、探し歩くだけでも楽しい。ちょっとした高揚感や非日常感を味わえる。以前は鉄道好きの中高年男性がひっそり楽しむイメージもあったが、ここ数年、高齢者や若者らにも裾野が広がっている。県境上で反復横跳びしたりして、いろいろな楽しみ方を味わってほしい。生活文化が変わる境界を越えることで、自分の知らない世界を知る意味もある。

ユニークな交流イベント
 県境を越えたユニークな交流イベントも盛んだ。昨年、長野県飯田市・静岡県浜松市が、県境をかけて綱引きで対決した。負けた浜松市側に立て札を1メートル動かした。福井県あわら市・石川県加賀市、秋田県横手市・岩手県西和賀町でも同様のイベントが行われている。

 山口県下関市と福岡県北九州市を結ぶ関門トンネル人道では昨年、両市民が海底の県境上でハイタッチした。生活圏が重なる宮城県栗原、登米両市と岩手県一関市では県境を越えた合同婚活イベントが開かれている。

語り部いれば楽しさ倍増
 ◎取材を終えて 群馬、栃木、埼玉の3県境を眺めていた時、地元の住民(73)がやってきて土地の歴史などを教えてくれた。「地元は過疎化で悩んでいる。多くの人が訪れ、活性化につながればいい」と、行政の取り組みに期待を寄せていた。郷土の歴史や文化にも触れられる境界巡り。男性のような語り部がいれば、訪れる楽しさが倍増するのではないかと思った。
(3月29日 読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160329-00010002-yomonline-life


土地家屋調査士 大阪 和田清人(image)
async




async
アドバイザーをされたい方へ
ログインフォーム
メールアドレス
パスワード
パスワードを忘れてしまいましたか?
土地活用ドットコム