特養などの施設の5割が赤字。病院などの医療法人の7割が赤字経営です。コロナパンデミックはなんとか終息しましたが、医療や介護に与えた影響は甚大です。今も多くの施設や病院が経営に苦しんでいますが、コロナ前の状態に戻るのにはあと2・3年はかかるのではないでしょうか。 ゴールドエイジも同じく苦しい経営になってしまいましたが、館長や社員さんの努力のお陰で、今年はV字回復できそうです。この1月から3月の3ヶ月間も良い成績に回復していますので、感謝しています。 しかしこの介護や医療の仕事というものは売上や利益を上げるために行う仕事ではありません。売上や利益を競争して、競合他社をやっつけて成長して大企業になっていくのが一般的な会社経営ですが、医療・介護は全く違います。 それは個人で支払えない程の多額の費用がかかる医療や介護ですから、医療保険や介護保険制度があって、国の決めたレセプト請求に従って売上を計上して、その中から人件費や経費を払って成り立っています。どこの医療も介護も国が決めた一つの計算式で経営していますので、この赤字とか黒字がどうしてあるかというと原因は一つ。それは『生産性』や『効率』をいかに上げるのか、下げるのかしかありません。それは無駄な動きをいかに無くして、利用者様に正しいサービスを提供して喜んでいただけるかが、赤字と黒字の分かれ目となります。 話は変わりますが、アメリカに住んでいる私の同級生の次男の奥様が、3ヶ月の早産で入院して低出生体重児の女のお子様を出産されました。その費用がなんと7,500万円だったのです。1日の入院の部屋代が15万円、3ヶ月で1,350万円。その他治療費合計で7,500万円です。日本の国民皆保険の素晴らしさを実感しました。同級生は医療保険に加入していたので自己負担は1,000万円程でしたが、もう子供は産めないと嘆いていました。 介護も医療も一番の仕事は『命を守ること』です。これが最優先ですからゴールドエイジもコロナ対策に全力で取り組みました。『特救隊』を編成して、自分や家族を犠牲にして入居者の命を守る介護に徹していました。全国の介護施設でも特救隊はゴールドエイジだけだったのではないでしょうか。PCR検査機や除菌装置や防護服などの購入にも数千万円使いました。これらはレセプト請求では出ないお金ですが、あとで補助金としていただいたお金もありました。なんせ頑張ったのですが赤字転落です。まあ仕方がありません。やるべきことをしたのですから。今年から厳しい経営改革をしてV字回復すればいいのです。 しかしゴールドエイジは黒字になりますが、全国の介護・医療事業の大幅な赤字経営は続きそうです。その原因は生産性や効率アップの大胆な経営改革ができないからです。この経営の努力をしないのが、売上・利益を目的にしてはいけない介護・医療の業界の非常に大きな問題となっています。ですから国のレセプト請求を無駄にせず最高に効率よく利用者様に使っていただくための仕事の大改革をすべきです。 私は今この大改革だけではなく、全職員さんに仕事の勤務時間の中で、一人一人の自由な時間を持ってもらいたいと考えています。レセプト請求に関係なく、個人の判断で好きなことをやってもらいたい。一日30分とか1時間とか、勉強でもいいし、入居者さんとの談話でもいいし、お花の栽培や趣味の教室など、なんでもいいので自分のやりたいことを職場でできるように今計画しています。 さて、もう少しだけ頑張りましょうか…。必ず日本一の介護付高齢者住宅の運営会社になりたいと思います。
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