(image)  数年前、地元の銀行やJAの紹介で、某メーカーが工場をつくるということで、単身者の賃貸住宅をつくることになりました。コンクリートづくりのワンルームマンションです。 全部で1500世帯ぐらい必要ということで、そのうち当社は約200世帯分を受け持ちました。数人の地主さんにお願いして、コンクリートのワンルームマンションを建てていただきました。これも、うまくいっているときは「こんなに安定した収入源はない」とオーナーさん共々ホクホクしていましたが、ある日を境に状況が一変しました。 何年かして、そのメーカーが一部の工場を閉鎖し縮小撤退することになったのです。2ケ月前に退去通告があり、一度に200世帯が空となりました。もちろん、私が家賃保証している物件です。 家賃保証しているからには、入居者がいなくなってもオーナーさんに家賃を支払わなければなりません。当社が自腹を切る形になったのです。1年間で6000万円ほどの赤字になってしまいました。 少子化が進んで若い人が少なくなると、ワンルームを借りる人はほとんどいません。不動産投資でワンルームマンションの投資を勧めている業者もいますが、駅から歩いて10分ぐらいの好立地のところでないとワンルームマンションの経営は成り立たないのは自明です。単身者が入る分、回転率が早く収益は上げられるのですが、地方の若者は都心に出て行く傾向があるので、ワンルームをつくっても借り手がいないのです。 それからは、けっして大企業だからと言って1棟まるごと企業に貸すことはしません。入居させるときは少しぐらい苦労しても、一室ごとに一般の入居者に入ってもらえば、退居の時にもいっぺんに出ていくことはないので安心です。 安易に大きく稼ごうと思ったら、とんでもない落とし穴が待ち構えているものです。一つつ一つ丁寧に入居者を入れた物件は、退去した後もすぐに人が入ります。それこそが、マンション・アパート経営の王道だと悟りました。それ以降、私自身も、当社のオーナーさんも、企業の借り上げはやっていません。また、ワンルームの建物もすすめません。 このほかにも、私は海外で賃貸経営をして失敗をしています。 10年前、アメリカで3つの物件を買いましたが、値段が暴落して6000万円ほど損しました。次に香港のマンション投資も時期が1年遅すぎました。ブームの波にうまく乗れずに、あえなく敗退。 さらに上海でも3000万円ほどでマンションを買おうとして会社まで現地に作りましたが、これは決断するのが早すぎました。今は上海も急成長を遂げていますが、その当時はなかなか入居者がいなかったのです。4、5年して売却しましたが、600万円ほどしか手元に残りませんでした。2400万円の損失です。 今、北京で買ったマンションのみが残っています。けれども、そこも入居者を常に確保している状態ではありません。購入時は3000万円程でしたが、値段がどんどん下がっているので、今売っても700万円ぐらいしか手元に残らないようです。 これらは授業料を払ったのだとあきらめています。その代わり、これらの失敗で各国の賃貸経営のシステムや税金について知ることが出来たので、それはそれで意味のある投資だと思っています。 もちろん、一般の人はこんなお金の使い方をしないでください。私は不動産業に携わる者として自分で体験しておかなければいけない事情があるので、やっているだけです。
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