毎年10月11月は事業計画書の作成月となります。
まず今期の仮決算(12月末日)を行い、来期(2021年)の方針と計画を作って、来年の12月末日の決算書を作成します。
まだ今期が終わっていないのに、来年の決算書を作るのが当社の伝統的行事になっていまして、こんな面倒くさいことを35年間(創業は45年ですが)も続けている会社はありませんね。
そしてこの計画書の中でたくさんの計画数値を作るのですが、35年間で一度として立てた計画通りに実行できたことがありません。
35年間ずっと立てた計画は失敗の連続なのです。
それならそんな計画なんて立てなければいいのに…。と思われるのでしょうが、それは違います。計画通りに実行できないから事業の経営は面白いのです。
その理由は2つです。
(1)計画通りに行かないとは、目標の計画数値をオーバーしても、計画数値が達成されなくても計画通りではありません。しかし何が経営で一番大切なことかと言えばこの『差額』です。どうしてこの差額が出たのかの『原因』と『理由』を徹底的に追求することで経営の能力が身に付き、会社は発展するのではないでしょうか。だから達成できない目標を作り続けて35年間ですが、会社は発展し続けています。
第(2)の理由は、そもそも個人でも会社でも計画を立てて実行している人は、計画を立てないで実行している人の何倍も何十倍も『成果』が変わります。人生でも老後でも経営でも日常生活でも計画を立てて実行すると凄く良い結果が出ることは間違いありません。『幸せになりたい』という計画を立てた人は必ず幸せになれると私は確信しています。
しかしこれがなかなか難しいことですが、ほとんどの人が何の計画も目標も立て<ないで生活しているということです。
ですから当社では『幸せ5K手帳』(5Kとは会社・家庭・健康・教養・心)を全社員に配布して、今年、3年、5年、10年先の計画を立てています。
私の場合は92歳までの23年間の計画をいっぱいの文字や文章や23年カレンダーにしてビッシリ記入しています。
そしてそれを毎日持ち歩くのが習慣です。
そうしていると1つ1つ夢や目標が実現していくのが本当に不思議なことです。
さてそれに加えて9月は『5ヶ年の長期計画』の作成を行いました。
1年間の計画を立てる前に、5年先の計画や目標を持っていないと、1年間の計画は短命な単細胞な計画になってしまいます。5年先の方針や方向を定めてから、来年の1年間を歩き始めないと間違った方向に行ってしまいます。それこそ取り返しがつかない大事件で大失敗となってしまいます。
さてそれに加えて、各社の4人の社長さんが1泊の合宿をして、1年間考えて検討していたグループ会社全体の『使命』と『ビジョン』をだいたい決定いたしました。
これも大切なことで3つ4つの会社がそれぞれ勝手に別々の方向へ行ってしまうと大問題なのです。
その全社の使命とは『一人一人に寄り添った、最高の住空間を提供し、心と時間と家計を豊かにする』。ビジョンは『3つの世代の幸せサイクル』です。
ということで、来年もいくつかの新しい商品やサービスを始めます。
私は売上げを上げたいとか、お金儲けをしたいと思ったことは一生で一度もありません。どうすればお客様に喜んでいただけるか。どうすれば日本一世界一の商品やサービスが提供できるのか…。それだけを考えて45年間努力しましたが、これからの5ヶ年計画が私の最後のご奉公となります。良い結果を残したいものです。