「狭小地の活用」 どの業界においても「顧客」というのは常に贅沢なものなのです。皆さんも外食をする時や何かを買う時には、できるならば安くてより良いものを、と考えるのではないでしょうか。それがあるからこそ、そこに新しいニーズが生まれ、そして、それをカバーしていくことが必要なのです。そして、「入居者」もやはり贅沢なもので、家賃は安く、設備も良く、広さも十分・・・と、望むことは書き出したらキリがないぐらいです。そして今、ニーズとして多いのが、マンションではなく戸建に住みたいというものです。国土交通省の調べによれば(平成22年度)賃貸市場の約70%の人が「戸建賃貸に住みたい」と希望していますが、新築の戸建賃貸の供給数2%以下だと言われています。 けれども、状況や経済的な事情で賃貸マンションを選ぶ方もいます。また、戸建もいいけれど、セキュリティの問題などではマンションの魅力も捨てがたく、どちらとも選びかねているという人も少なくありません。そこで考えたのが、戸建感覚のマンションです。あるオーナーは、所有していた土地が狭小地だったため、どのようなマンションを建てるか悩んでいました。たくさん部屋を作れば、家賃はたくさん入ってきます。しかし、無理やり部屋数を増やしても、部屋が狭いなどの理由で埋まらなければ・・・どうでしょう。さらに、駅からも少し遠いこともあり、市場調査をした結果、どうやらファミリータイプの物件に需要があるようでした。そこで、間取りは2LDK、部屋数は8戸でご提案しました。部屋数だけで考えると決して多くはありません。しかし、例えば家賃5万円の部屋が10戸と、家賃10万円の部屋が5戸では、どちらもすべての部屋が埋まった時の家賃収入は50万円。同じことなのです。では、家を高く設定するためにどういった工夫をしたのかと言いますと、木の幹と枝のように階段だけを共有とし、左右に分かれていくとひとつずつ部屋があるという構造にしました。こうすることによって、間取りだけでなくプライバシーを大切にできるという面でも、戸建に住む環境とさほど変わらない環境を作ることができました。それだけでなく、ファミリータイプなので、部屋の明るさにもこだわり、三面採光を取り入れました。明るい部屋なのにプライバシーはしっかり守るという面では、同じ広さであれば戸建よりもメリットがあると言えるかもしれません。仕上がった物件は、私たちにとってもオーナーさんにとっても納得のいくもので、とても喜んでいただくことができました。そして、やっぱり人気なのが「戸建賃貸」です。これは、狭小地の活用としてはかなり有効ですし、需要も多く、家賃も高く設定できるため、賃貸経営は安定しやすいと言えるでしょう。また、賃貸住宅では「騒音」に関するクレームがよく発生します。特に、小さなお子さんのいるご家庭では、お子さんが飛び跳ねる音が下の階に響いてしまいます。そこで、下の階の人に気を遣うことなく生活できる、上下階の繋がったメゾネット形式のアパートや戸建賃貸が人気です。これであれば、1戸に1台の駐車スペースを設けることが可能なため、駅から離れた場所であっても、校区などのニーズが合えば入居は必ずあります。<狭い><小さい>それは一見、マンションを建設するのに全く不向きなように聞こえますが、考え方と企画によっては逆にプラスに転じさせることもできるのです。土地が狭い、大きい建物は建築できないなどと嘆いたり諦めることなく、一度ご相談下さい。
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