マンションを経営していく中で「自分が人からされて嫌だと思うことを、人に対してやってはいけない」という言葉は大切です。自分がされたくないことは、入居者に対してもやってはいけないことです。実際に誰かに対して自分が直接なにかをする、ということではなくても同様です。入居者が、自分だったら身をおきたくないと思うような状況下におかない、ということが大切なことでもあるのです。私に置き換えれば、常に不安と向き合い、漠然とした不安を抱かないように努力をしてきました。経営者として前に進むために、実態のない不安感というのは抱いたところで、マイナスな要素こそ多くても、プラスなことはひとつもありません。だから、自分の下で働いている社員や、私の顧客であるマンションの経営者にも、同じように実態のない不安を抱いて欲しくないのです。そして、今度はそのために、相手に不安を抱かせない経営方法ということに尽力していかなければなりません。 金銭面でも、同様のことがいえます。私は、自分だけのために会社を経営しているつもりはありません。そこに働く社員がいて、そしてその社員にも家族がいます。みんなが幸せにならなければ、私か会社を経営しているなかでの本当の理想の形にはなりません。そのためには、無駄なリスクを省くというのも、会社と社員を守っていくために大切なことでした。今は、どこの会社も負債を抱え、社会全体が不景気という波に飲み込まれようとしています。半永久的に破たんすることなどないと、誰もが思っていたような大手企業でさえも、経営難に陥ってしまうことさえあります。よく聞く言葉だとは思いますが「銀行でさえつぶれる時代」。まさにその通りです。そんな時代だからこそ、私は無借金という状態にこだわって経営を進めてきました。もちろん現在でも、進和建設工業は無借金経営です。 このように、顧客の不安やリスクを回避するためには、私たちが直接なにかできるわけでなくとも、何件もモデルケースを見てきた私たちだからこそできる提案というのがあるはずです。
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