「学校では、人はお金のために働くことを学ぶ。だが、お金を自分のために働かせることは知らないままで一生を終わる。」とは、ベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」の著者ロバート・キヨサキ氏の有名な言葉です。 このコーナーでは、ロバート・キヨサキ氏が同氏の著書の中に記している「金持ちになるための6つの教え」について解説しています。 ロバート氏をハワイ有数の金持ちにした6つの教えとはいったいどの様な事でしょうか? 今回はいよいよ、その6つの教えの最終回、第六の教え「お金のためではなく学ぶために働く」について解説していきます。 金持ち父さんは、専門知識を極めるより、浅く広い知識を増やし、ビジネスに関わるあらゆるジャンルを学ぶことが重要だと教えています。 私達は通常、建築士や会計士といった○○士という専門的な知識を身に付けたり、資格を取りさえすれば、それによって収入が増えると考えがちです。 しかし、この様な資格で得られる所得には限度があるので、それだけでは中流の生活しかできないとロバート氏は言っています。やはり財産を作るためには、これまでこのコーナーで解説してきた様に、資産と負債の違いを理解し、お金のために自分が働くのではなく、自分のためにお金が働いてくれる状態を作らなければなりません。 しかし、実際にはその様な状態を作る事は一朝一夕にはいきません。 もちろんどんな人でもスタート時には下積みの時期があります。 その様な下積みの時期にいる若者に対して、ロバート氏は「いくら稼げるか」ではなく、「何を学べるか」で仕事を探しなさい」とアドバイスしているのです。それは、長い目でみた場合に「教育」は「お金」よりも価値があるからです。 また働きながら実践の中で身に付けた知識は生涯かけがえの無いものになるのです。金持ち父さんの様に財産を作るためには、それなりのリスクが伴います。そのリスクを上手に回避するために、「投資」「会計」「金融」「節税」といった浅く広い知識を仕事の中で学び、生きた知恵としていく事が重要なのだといいます。さらに、ロバート氏が働きながら学ぶ能力として、特に重要としているのが【セールス】と【マーケティング】、つまり【モノを売る力】です。この能力は単にモノを売る時に役立つだけでなく、他人と意思を疎通させるためにも役立つ能力ですから、職場、家庭、人間関係、すべてに応用できる能力なのです。 これらの知識に関するロバート氏の言葉を引用すると、『たいていの人はこの様な能力を会得するのは、とても難しいと考えている。その大きな理由は、拒絶されることに対する恐怖から来ている』『コミュニケーションや、交渉の仕方がうまくなり、拒否されることに対する恐怖心をコントロールすることができるようになれば、それだけ人生が楽になる』 お金持ちになるためには、会計や投資などの知識だけでなく、良好な人間関係をつくる能力が重要なのだとロバート氏は言っています。 ハワイ有数の金持ちの一人であるロバート氏でさえ、人生で成功するのに必要不可欠なのは、書く、話す、交渉する、といったコミュニケーション能力なのだと説いています。これにて、シリーズでお伝えしてきました「金持ちになるための6つの教え」の締めくくりとさせていただきます。(参考文献)改訂版、金持ち父さん貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 ロバート・キヨサキ著(筑摩書房)
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