サブリースとは何か?当機構に寄せられる様々なお問合せのうち、ダントツの第1位が「空室保証とサブリースの違い」についての質問です。どちらも、賃貸物件の家賃収入を一定の割合で保証する制度ですので、オーナーは毎月の家賃収入が一定化され、安心なわけです。近年では、土地活用の建設資金融資の際に、「家賃保証を付けることが融資条件」という金融機関も増えてきました。しかし、根本的な制度の仕組みや保証条件は全く異なりますので、じっくりご確認下さい。サブリースとは?別名「一括借上げ」とも言われるように、賃貸アパマンの一棟丸ごと全戸を、保証会社(サブリース会社)が固定額で借り上げてくれる制度です。家賃保証とは言われますが、実際は、オーナーと保証会社間の転貸承諾付きの賃貸借契約ですね。(image) (参考例) 1戸当り家賃10万円、総戸数10戸のマンションの場合サブリース会社が入居者を募集し、満室ならば100万円の家賃収入です。サブリース会社は、この100万円の中から借上げ家賃として80万円~90万円(満室家賃の80%~90%程度)の固定額を、オーナー様に毎月支払うというのが一般的なサブリース(一括借上げ)の仕組みです。よって、入居者から入る家賃収入とオーナーに支払う借上げ家賃の差額が、サブリース会社の収益です。仮に80%のサブリースだった場合、サブリース会社の差額収益は20%、経費として一般的な賃貸管理料5%とすれば、実質15%がサブリース会社の収益となります。これに加え、礼金や更新料、保証開始するまでの免責期間中の家賃もサブリース会社の収入ですので、客付けさえ安定的にできていれば、保証会社にとって安定したビジネスモデルであるといえます。サブリースのメリット・デメリットサブリースを利用する最大のメリットは、「オーナーは何もしなくていいのでラクちん」ということに尽きます。入居募集や建物管理など、賃貸経営に必要なことを全てやってくれますので、オーナー様は毎月通帳を眺めているだけです。ですので、「儲けは少し減ってもいいけど、とにかくラクをしたい!」というオーナー様にはおススメです。逆にデメリットは、収益性が下がること、大手有名企業のサブリースの場合は、管理会社の選定や長期修繕計画などに制約があり、破るとサブリース契約は解約という条件が多いことです。勘違いしてはいけない! 家賃の見直しがある!よくテレビや雑誌などで「30年一括借上げ! だから安心!」というように、あたかも30年間も同額の家賃を担保してくれそうなニュアンスの広告がありますが、勘違いしやすいのは、「決して30年間、継続して新築時と同じ条件で借り上げてくれるわけではない」ということです。当然、築年数が古くなれば空室が増えるため、家賃を下げて入居募集します。目立つ特徴のない一般的な賃貸アパマンですと、何の工夫も無しに漫然と賃貸経営をしていると、新築時の家賃から起算して、10年ごとに約10%ずつ家賃が下がっていきます。(※築30年になれば家賃は30%下がっているということ。)こうなると、仮に上の例で新築時は、10万円×10戸×80%=80万円の借上げ家賃も、20年後に家賃が20%下がれば、8万円×10戸×80%=64万円の借上げ家賃になります。実に、新築時の募集満室家賃の6割程度の収入になってしまうということです。よって、サブリースを利用する場合は、家賃の見直しを含めた利用条件を、きちんと正確に把握しておくことが極めて重要であると言えるでしょう。では次回は、サブリースとは”似て非なる”家賃保証の『空室保証』について、解説いたします。ぜひご一読下さい。(その3に続く)
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