東日本大震災から10日が経ちました。死者・行方不明は2万人を超えました。未曾有の大惨事です。この3月11日を境にいろいろなものが変わっていくものと思われます。経済も日本人の精神も。
1995年の阪神大震災の時と違って、今回は建物が思ったほど被害が少なかった。そして、「津波」が被害を大きくしました。1000年に1度と言われる「想定外」の地震が起きたのですから、まさかこの高さまでの津波がくるとは思わなかったと、現地の方が言われるのも仕方がないことです。学者によっては、最大50mの津波が発生したのではないか、と言っている人もいます。「50mの津波」、15階建てのビルに相当します、ちょっと信じられません。
阪神大震災のときは、10日後に視察と六甲で被災した友人へ物資へ持っていくために、神戸に入りましたが、今回は、行かないほうがいいようです。帰って、迷惑をかけることになりそうです。
東北には、加盟店の仲間が何社かいらっしゃって、全員無事を確認し、ほっとしています。ただ、そのご家族には行方不明の方がいらっしゃるようです。胸が痛みます。
神戸は地震がないエリアという過信もあって、建物そのものが耐震的に不適格なものが多かったですが、東北は地震への備えもあったので、建物は思ったより被害が少なかったのでしょう。海外メディアも、そのことに驚いています。
海外メディアは、日本人がこの最悪の震災にあったなかでも、冷静さを失わない、人としての節度を守ることに驚いています。他の国なら「混乱」「略奪」が当たり前だというのです。コンビニの外にじっと一列に並んでいる写真が掲載されていました。あれは、外国ではありえないことなのでしょうか。東北の方の人柄の良さ、純真さもあったと思います。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙(ニューヨーク)
「不屈の日本」「大自然からの打撃に遭っても生き延びる備えを、日本人がそれほどきちんとしているかを指摘せずにはいられない」「誤解してはいけない。日本の産業力は今も偉大だ」
ノーバヤ・ガゼーダ紙(ロシア)
「我々はあなた方と共にある」「日本には最悪の事態に立ち向かう人の連帯がある」
ビジネス・ライン紙(インド)
「日本以外でこの地震が起きたらこれだけの対応は見られないだろう」「日本人はこの悲劇から立ち直る」
この震災を契機に、日本のすごさ、精神力の強さが注目されました。不幸の中に光明が見えた思いです。世界のレベルにおいて、「民度の高い国民」として認知されました。
福島原発では、東電職員はじめ、自衛隊、警察、消防、海上保安庁が命をかけて、職務を遂行しています。「日本の救世主になってください」という奥さんのメールには泣けます。そして、原発で懸命の作業をする男たちの顔のなんと凛々しいことか。昨日、名古屋の仲間の社長と話していたら、自衛隊の人と会う機会があったのだけれど、行けと言われれば自衛隊員は命を顧みず、命令にしたがって原発へ行くものはいくらでもいますよ、と言われたそうです。自衛隊や、警察、消防の方は「命をかける」職業についておられる。これ以上のことはないのです。彼らにも家族はあります。もっと国民から敬意をもって迎えられていいのではないでしょうか?
まあ、でも16年前当時は社会党・村山首相で自衛隊へのアレルギーが露骨にありましたが、ずいぶん世相も変わりましたね。でも、なぜ、こういう震災のときの政権って・・・・、こういうときに限って・・・。
福島原発も必ず、なんとか収縮する方向で解決してくれることでしょう。
弊社の首都圏での管理物件は、外壁が多少崩れたり、エレベータが止まったりと、被害は少なくてすみました。弊社では毎日の業者からの問い合わせ反響の数をカウントしていますが、流石に直後の13日(日)は通常の76%程度でしたが、昨日の20日(日)はこの繁忙期の平均を上回り、忙しかったです。申込も普通に入っています。ほっとしました。首都圏の賃貸市況はとりあえず元に戻った?今日は雨のせいか、低調なようですが。
今後の動きとして、さっそく、建築コストが上昇しています。阪神の震災後もそうでしたが、これは仕方ありません。資材を東北に取られます。落ち着くまで時間がかかりそうです。