今回はアパート経営代行型、サブリース契約、一括借上システムの本当の怖さをお伝えします。かなりショッキングな話ですが、本当の事です。誰も情報として出していない様ですからお伝え致します。まあ、他人事だと思って気楽に客観的に見て下さいね。これまで、全国津々浦々でアパート建設が進んで来ました。地域差は有りますが概ね平成15年くらい迄は、確かな実需要を伴って増えて参りました。しかし、ここ10年、特にリーマンショック以降は地方の家賃相場は下がり続け、築15年を経過した老朽アパートの家賃下落が止まりません。平均空室率も30%程と言われています。空室率30%といえども、”一括借上”でなければ大企業が痛むことはありません。しかし、これからの時代は各社が、経営を総て代行するお任せ型 ”一括借上”物件が揃って老朽アパートと化していきます。15年以上前のアパートでは今の様な経営代行型は少ないですが、いまから9年ほど前、某社が経営代行型(賃貸経営を受託する)修理費・修繕費・管理費・家賃保証費をセットでオーナー負担は家賃総額の15%という一括借上システムの登場以来、現実の需要を無視して一気に爆発的に賃貸アパートが供給される様に成りました。それも、一社の成功パターンに競合他社が一斉に追従しましたので、各社揃って毎年毎年増収増益を達成しています。では・・・、貴方と私で、それら上場企業の経営者側に立って、この溢れてしまった賃貸住宅の出口戦略をどうしたらいいか考えてみましょう。例題:新築木造アパート3棟24戸 総工費2億2千万円 構造2×4 住宅金融支援機構融資 35年固定金利3% 全額借り入れ 新築時借上家賃保証額1戸当たり平均5万円×24戸 月額120万円 駐車場9万円返済金額86万円 資産税月割り12万円 手残り31万円 所得税は減価償却により0円築16年が経過し家賃下落率25% 空室率30%となった時借上家賃保証37500円×24戸 月額90万円 駐車場9万円返済金額86万円 資産税月割り6万円 所得税月割り4万円手残り3万円 年間36万円経営代行型借上会社の持ち出し 毎月約30万円 年間約360万円まず、企業モラルとして約束は守らなければ成りません。30年間一括で借上げます。という契約です。しかし老朽化したアパートの経営改善は大量生産方式の大企業アパートでは対策は困難であるため、現状の毎年マイナス360万円が今後増え続けることはあっても減ることなど無い事は誰にでも容易に推察できます。貴方(社長)が私(本部長)を社長室に呼んで檄を飛ばします。貴方(社長)『君ィ 何とかしたまえ!!!』私『はい! では、社長! 例の秘策を用いてもよろしいのですね???』貴方『無論だ!』私『かしこまりました』私は担当支店の客付け担当課長を呼びつけました。『○○課長! 例の赤字物件どうすればいいか解っとるだろうねエ』○○課長『はい!ではいつから実行致しましょう』私『今度の契約更新は何時だったかね?』○○課長『来年9月です』私『ただちに実行せよ!』そして私は社長室で報告『例の赤字物件の客付けを停止いたしました。次回の契約更新までには入居率は50%未満になる予定です。』貴方『うむ!』次回契約更新時の条件提示額はいくらになるでしょうか?家賃と駐車場あわせて86万円です。企業としては最大限の努力と保証額ですよ!とオーナーを説き伏せます。オーナーは資産税と所得税が完全持ち出しとなりますが、返済金額を補償される事によりデフォルトを起こさないギリギリのラインで留まることが出来ています。ここで話は終わりではありません。まだ、築16年を越えたばかりです。続きをみてみましょう。今までの貯蓄、そして世代が代わって息子世帯のサラリーマン収入から毎月赤字、持ち出しながらも何とか耐えて来ました。今は築23年住宅金融支援機構の支払い残額は1億1千万円ちょうど半分まで来ました。借上家賃保証額1戸当たり平均3.2万円×24戸 月額77万円 駐車場9万円返済金額86万円 資産税月割り4万円 所得税は建物減価償却終了により家賃総額から金利を除いた全額に累進課税で課税されるため月額ナントッ24万円オーナーの毎月持ち出しは最低でも毎月28万円築16年以降毎年の持ち出しで経済力が疲弊している処に毎月28万円の支出年間で336万円の拠出。サラリーマンの平均年収400万円少々、実質余裕資金年間50万円未満で、336万円の支出と成ります。この試算では、累進課税にサラリーマン所得は一切計算に含まれていません。つまり、毎月の平均拠出は、これでは済まない!更に所得税は増額される事は、間違いありません。始めから最長の35年返済を選んでいますから、これ以上のリスケは出来ません。おまけに負債残高は1億円以上。国も、この頃になると増えすぎた住宅供給に歯止めを掛ける事と、税収不足を補うために、今まで放置しておいた貸家建付地の固定資産税優遇を是正する動きとなります。現行は更地の6分の1ですから、今後4分の1、3分の1、2分の1という様に50%贈・100%贈・200%贈と言う形でアパート建築用地の固定資産税・都市計画税改正が行われるはずです。この状態で、どうやって持ちこたえ返済完了出来るでしょうか?あえなく破産そしてオーナーチェンジ!競売市場に老朽アパートが溢れだし、格安で仕入れられた中古アパートオーナーによる格安の賃貸アパートが一気に大量に市場に供給され賃貸市場の終焉を迎えます。一方大企業も、一括借上契約は相続以外のオーナーチェンジの場合は引き継がれない事になっています。はじめからこれを狙って契約文言を作って有ります。築23年で借り上げ終了。これが今の状況下に於ける出口戦略となります。一括借上げ、経営代行型建築会社の資金力があり、新規建築請負契約のための評判を獲得するために無理をして、不都合な事実は隠し家賃保証を継続していることが解ると思います。今後は、全国で余りにも多くの空室が年々増加の一途を辿ります。そうなると当然、返済金額を大きく下回る借り上げ金額の提示しか出来なくなりますよね。疲弊しきったオーナーに築23年の時限爆弾は当然に襲いかかります。これは脅しでも何でもありません。これが経営代行型 一括借り上げ契約の本当の姿です。ここで、自分の物件は例の某アパート業界最大手の30年一括借上げ木造2×4構造ではなく、軽量鉄骨や重量鉄骨及びRC構造だから、私には関係無い。良かった!と胸を撫で下ろしたい気持ちはわかります!では、皆さんの周辺に某社のアパートは何棟、何戸あるかご存じですか?圧倒的な数の某社物件が市場に溢れた場合、貴方の物件の半額で賃貸され出した時・・・、貴方の物件の家賃はいくらになるのでしょうか・・・? 最後に・・・CEOとなった貴方が私に命令を出します。『君ィ、市場性が確保された良い立地条件の優良中古物件だけを、全国中で叩いて叩いて超格安で買いまくれ!!!』如何でしょうか・・・?客観的にどの様な感想を持たれたでしょうか???ハッキリ認識して下さいね!企業の至上命題は”株主利益の追求”です。これは周知の事実です。今の30年一括借上げ契約は、建築各社が賃貸経営をオーナーに代わって代行する契約となっています。”30年一括借上げ”が株主利益である間は、積極的にこれを利用し、『安心・安定・安全』と声を大にして宣伝し、建築売り上げを最大限に伸ばしますよね!反対に建築売り上げ利益より、借上家賃負担の方が大きくなったら本末転倒です。余程間抜けな経営者でない限り、経常収支がマイナスになる前に、契約の範囲内で合法的にアパートオーナーを窒息死させる時限爆弾を発動させようとするでしょう。それは、はじめから計算し尽されています。そもそも、はじめからこの様な結果になる事が予想できない、無能な上場企業の経営者だとでも思っていますか?人口動向と世帯数の推移だけを見ても小学生でも簡単に判ります。このような計画が、はじめから除去できない根底の細部に埋め込まれた事業モデルである事を知っていましたか?賃貸アパート経営に於いて、全ての経営権を一括で委任し、相続税を払わずに済んだ‼︎ と喜んでいるのも束の間、何もしない、何も出来ない2代目の息子や孫が、大企業の好きなタイミングで、思うままに喰い尽くされてしまうという余りにも無惨でショッキングな事実。一括借上げの本当の怖さ! 判っていただけましたか?ここまで、お読み戴きありがとうございました。具体的な解決策は、高齢者住宅経営研究所までご連絡下さい。『順風には帆を揚げる』私たちはブルーオーシャンを突き進みます。では、また。