(image) 日本の賃貸住宅は、
相変わらず「貧しい」の一言に尽きます。とくに公共の賃貸住宅は、戦後一貫して住宅を購入できない、充分な経済力のない国民に対して供給されてきました。 この考え方から脱却できないために、いつまでたっても「狭い・高い、プライバシーがない」と三拍子揃った最悪の賃貸住宅ばかり増えていきます。そして賃貸に耐え切れなくなったときに、「そろそろ一戸建てでも買おうかな」と思うようになるのです。 けれども、
日本ではマイホームを購入しても負債になるだけです。確かに戸建住宅の床面積は122m2と、日本も欧米に並びましたが、住環境やデザインの重要性は忘れ去られ、資産価値としては欧米の住宅とはまったく比較になりません。 日本では、
購入して住んだ時点で住宅は中古と見なされます。そして、中古物件の価値は低く見られるのです。数年住んだだけでも、売るときには半値近くに下がっています。これは世界的に見ても異常です。 これは新しいもの好きの消費者だけが悪いのではありません。業者も新しい住宅を建てさせるために、「新しい物件はいい」というイメージを今までずっと植えつけてきたのです。 こういう点を考慮すると、
一戸建てや分譲マンションを買わずに、賃貸住宅に住む方が得だとも考えられます。仕方なしに賃貸に住むということではなくて、積極的に賃貸に住む方が得だと考える賃貸主義と、万一負債になっても自分の家に住みたい持ち家主義と、あなたはどちらを選ばれるのでしょうか。 しかも、もしあなたが賃貸主義として、少しでもいい環境に住みたいと思いながら賃貸を探しても、グレードが高くなるにつれ、家賃は高くなり、物件の数も限られてきます。 六本木ヒルズのような豪華な部屋に住みたいのは誰でも同じですが、家賃だけで100万円や200万円もするのですから、とても手を出せません。 結局、自分の収入に合わせて、仕方なく貧しい部屋を選んで住むしかないのです。「住めば都」という言葉もありますが、とてもそんな余裕は持てません。 日本では、持ち家にしても賃貸にしても、どちらを選んでもいい結果にならないのです。こんなおかしな日本の住宅事情に、よく皆さんは我慢していられると思います。 もうそろそろ、本気で住まいについて考えてみませんか? 皆さんが願えば、不可能なことも可能に変えられるでしょう。たとえば、
永住型の賃貸マンションを実現させるのはそれほど難しいことではありません。海外では珍しくないのですから、それを学べばいいだけです。
分譲マンション並みの物件を賃貸にする。それも、
普通の家賃よりずっと安く提供する。これらの今まで不可能だったことを可能にするために、私は試行錯誤の日々を送りました。そして実現させました。それについては後日詳しくお話します。 これからは、諸外国の住宅事情を見ながら、日本の住まいは何を目指せばいいのかを考えていきたいと思います。