サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の人員基準について解説します。最近、雑誌や週刊誌でもサービス付き高齢者向け住宅を目にする機会が増えてきた。色々な先生方がサービス付きは終の棲家にはなれないと言う記事をよく見る。ここで本当の「終の棲家」とはなんなのか?国語辞典によれば、最後に安住する所。これから死ぬまで住むべき所。とある。皆さんは自宅以外で「終の棲家」と言えばどこを連想しますか?特別養護老人ホーム・介護付き有料老人ホームが一般的ですかね。特別養護老人ホームは重度要介護者を優先入所させ、最近ではターミナルまで行う所も出てきています。多床室でなくて、ユニット型個室でしかも、地域密着の小規模ならば、終の棲家としても良いかもしれません。介護付き老人ホームは、まさしく自立から要介護の方まで対象にしていて、入居者3人に対して職員1人以上の職員配置義務がある。なので、終の棲家となれると言う考え方。この2つに共通しているのは何か?人員基準!!しかし、サービス付き高齢者向け住宅では、入居者何人に対して職員何人と言う基準がない。配置基準が全くない訳ではない。絶対条件の安否確認・生活相談は絶対に提供しなければならないサービスなので、必要最小限の人員はいる。例えば、入居者20人に対して、1人の職員で何が出来るのか?そうすると、おのずと介護度が軽い軽度者向けとなる。その場合、住み続けていて、全員がポックリ逝くなら良いが、介護度が上がり、重度になってしまった場合、対応が出来ないから「終の棲家」にはならないと言うのが多くの意見だと思う。サービス付きも住宅型有料老人ホームも、健康な高齢者に対して、見守り・生活支援がついた住宅と言う考え方だろう。実際、行政もその様に考えている。そこで、介護が必要になった場合は、外部の介護会社から介護サービスの提供を受ける。現実は違う、一昔前の高専賃時代は、その様な物件が多かったが、適合高専賃時代からは変わり、運営会社はほとんどが、介護会社か医療法人となった。結果、どちらかと言えば、要介護者を入居させ、自分の所で介護サービスを提供する形式が一般的になっていると思う。では、特養も介護付きも介護度に応じて、介護費が決まっている包括型と呼ばれる介護保険だ、極端な話、介護を利用してもしなくても月額いくらと決まっているので、介護費がオーバーする事はない。一方、サ高住や住宅型の場合、基本「在宅」との扱いなので、介護サービスを使った分だけ支払う。もちろん、介護度が重くなれば、利用頻度も当然上がる。区分支給限度額方式である。限度額があるので、あれば限度額をオーバーした分はどうなるのか?基本的にはオーバー分が利用者の100%自己負担となる。毎月いくらかかるか不安でしょうがないと思う。私が顧問をしたりプロデュースをしている物件はオーバー分は請求しない。なので、上限は決まっている。しかし、請求している物件もある。そして、どこでも、重度対応ができるとも限らない。サービス付きを「終の棲家」にしたいと思うなら、物件選びは慎重に選ばなければ行けない。なぜか?何度も言うがすべてが、限度額オーバー分を請求しないとも限らないし、すべての運営会社が重度対応が出来るわけではない。そこの物件は重度対応が出来るのか?看護師は配置されているのか?いないのであれば、どこの訪問看護と提携しているのか?どこの在宅医と提携しているのか?医療ニーズにはどこまで対応出来るのか?経験はあるのか?看取りはできるのか?支援体制は整っているのか?夜間は何人の職員が配置されているのか?など、細かくチェックをしなければいけない。もちろん、食事もどういう配慮がなされているのか?調べるべき事は山の様にある。上記をすべてクリアしているのであれば、サ高住にしろ、住宅型にしろ、「終の棲家」となれると私は考えている。しかし、できないのであれば、サ高住は終の棲家にはなれない。安心して住み慣れた地域で最期まで過ごすには、事業者間の連携が必要不可欠であると考えている。地主さんからしたら、一番最重要な事はどこの会社が運営するのか?と言う事です。ご相談はお気軽に!!