2014年度の診療報酬改定が12日、決まった。消費増税に併せて4月から初診料を120円、再診料を30円引き上げるのが柱で、全体で0.1%の増額改定となった。一方、費用がかさむ重症者向け病床を2年間で9万床減らす目標を打ち出したほか、「主治医」制度を新設するなど在宅医療を促す。ただ、期待通りに医療の効率化が進むかは不透明で、膨張する医療費抑制への踏み込み不足は否めない。 厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)が12日、田村憲久厚労相に答申した。診療報酬は全国一律の公定価格で、医師の医療サービスの料金や薬の値段の基準となる。団塊の世代が75歳以上になる25年度に医療費が今の35兆円から54兆円に膨らむ見込み。その抑制策が焦点だったが、診療報酬本体部分は消費増税の転嫁分を除いても、400億円の増額改定となる。 4月から初・再診料が上がり、患者負担も増える。一般の病院や診療所が取る初診料は120円引き上げ、2820円に、再診料は30円引き上げ720円とする。歯科の初診料や再診料、調剤薬局が取る調剤基本料も同様に引き上げる。入院基本料は、それぞれの料金を2%程度引き上げる。 一方、中医協は、不必要な入院を減らし、在宅医療の充実を促す方針を盛り込んだ。 病院にとって最も高い収入が見込める重症患者向けの急性期病床を減らす。「重症患者向け」をうたう病床は、入院基本料で最も高い1万5660円(改定前の額)を取っている。06年度の診療報酬改定で、救急患者などの受け入れ拡大のために創設され、当初2万~3万床と見込んでいた。 ところが、病院の申請が殺到し、約36万床まで膨らんだ。基準が甘く、重症といえない患者も含まれ、医療費の膨張につながったとされる。そこで中医協は今回、重症者向け病床と認める基準を厳しくする。まず2年で今の4分の1相当の9万床を減らす。半年の経過措置をおいて10月から適用。25年度には半分の18万床までさらに減らすことを目指す。 大病院の外来受診は縮小を促す。軽い風邪などで患者がかかるのを防ぐため、紹介状を持たない受診が多ければ病院の報酬を減らすなどペナルティー措置を広げる。 在宅でも病院に劣らぬケアを受けられるよう、身近な診療所や中小病院の医師が糖尿病などの治療や健康管理をする「主治医」制度を新設。月に1万5030円を配分できるようにする。24時間対応する訪問看護の拠点には、1万2400円などと多めに配分する。 入院期間の短縮と自宅療養を促す仕組みの導入を課題にあげた。患者の「在宅復帰率」の高い病院ほど入院料を高くする一方、同比率の低い病院は入院料を低くする仕組みを検討するという。2月12日 日本経済新聞今後の流れは間違いなく「在宅」「在宅医」と「訪問看護」
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